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小林多喜二の作品の偽装同棲問題を弁護

 

小林多喜二の文学作品である『党生活者』で、主人公の日本共産党活動家が、妻でもない女性と、偽装夫婦生活をすることに対して、モラルの側面から非難がある。当然であろう。

 

しかし、日本共産党は、この便宜的な同棲に対して、主人公の活動家としての成長を持ち出して弁護している。

 

以下、日本共産青年同盟創立71周年記念学習会「理性と人間性に生きた作家たち」日本共産党津田孝幹部会委員(当時)の講演からの抜粋である。『青年運動』1994年6月号より

 

主人公と同棲することになる「笠原」という女性の党支持者との関係について、この主人公も、多喜二も女性にたいして非人間的だと非難する不当な批判があり、その批判に影響された読み方をする人があります。しかし、この同棲には多少便宜的なところがあることに加えて、描写に必ずしも十分でない点があることは指摘できますが、主人公との間に行き違いができた場合にも、彼が人間的にあたたかい態度で笠原のいらだちに対応していることは、「党生活者」をよく読めばわかります。

 

「党生活者」の時代の主人公の試練は、侵略戦争のもとでの大弾圧の試練、それに加えて地下活動の試練という、この二つが重なった試練でありました。それは、家族の関係、愛情の問題の困難を含んだものでした。

 

伊藤という女性活動家と彼女の母親の関係もそうですが、主人公と母たちの人間的成長とは対照的な、主人公についていけない笠原の苦しみを統一して考えることによって、「党生活者」のいわゆる「笠原問題」には、主人公が歴史の試練や痛苦をどのようにのりこえて成長していくかを描くという、新しく見えてくる面があるように思います。