ホームページへ

『蟹工船』の虚偽

 

 『蟹工船』は、共産主義の道徳観そのものである。善も真理も道徳もいっさい認めない。それらを観念論としてばっさり切り、永遠普遍の価値観など認めない共産主義思想をばらまく。説くのは、プロレタリアートヒューマニズムのみである。日本語に訳せば「労働者連帯」。

 

 本文より、

 「漁夫たちが決起する前に、訴える。諸君、まず第一に、俺達は力を合わせることだ。俺達は何があろうと、仲間を裏切らないことだ。これだけさえ、しっかりつかんでいれば、彼奴等如きをモミつぶすは、虫ケラより容易ことだ。-そんならば、第二は何か。諸君、第二にも力を合わせることだ。落伍者を一人も出さないということだ。一人の裏切り者、一人の寝返りものは・・・。(「分った、分った。」「大丈夫だ。」「心配しないで、やってくれ。」)・・・

 「俺達の交渉が彼奴等をタヽキのめせるか、その職分を完全に尽くせるかどうかは、一に諸君の団結の力に依るのだ。」

そして、最後は、

「今度こそ。・・・。犠牲者を出さないように全部で、一緒にサボルことだ。・・・何より力を合わせることだって。それに力を合わせたらどんなことが出来たか、ということも分かっている筈だ。」

 

 本の全体を通して描かれている、ある意味で暴力的で堕落的で退廃している蟹工船のようす。その中で、善く生きようという努力もまじめに考えようという努力も何も描かれていない。正義も悪も真理も真実もない。ただ、みんなで団結することのみ強調する。

 

 『蟹工船』にはいろいろな問題点がある。ロシア人はみんな日本の蟹工船の漁夫の仲間として描かれているとか、資本主義社会の労働者窮乏化論を押し付けているとか。

 

 しかし、最大の問題、若者への悪影響は、暴力も、道徳的堕落も、人間性の退廃もいっさい否定しないその手法である。まさに、『蟹工船』が悪本と言われる理由である。

 

 実際、現実の日本の若者の職場で同じような考え方がある。特にアルバイトの職場でそうだ。会社の言うことをいっさい聞かない。会社の指示をいっさい守らない。やりたい放題やる。そして、上司の悪口ばかり言う。何の反省もない。自分たちが貧しいのはすべて会社や世の中が悪い。そして最大にして唯一の決まりは、仲間を裏切らないこと。こんな連中が『蟹工船』を読めば、すぐに共産党に投票するだろう。

 

 共産主義思想の権化である『蟹工船』を徹底的に批判し、日本の若者を救い、道義国家日本を再興しなければならない。